旅行業務取扱管理者

旅行業務取扱管理者試験の独学と科目ごとの勉強法

独学できるか

十分独学が可能です。「国内」資格は、学生の合格者が半数程度いることからもわかるように、旅行代理店で働いた経験がなくても資格を取得することは大いに可能です。

「総合」資格は、「国内」資格よりも難易度が上がりますが、それでも十分独学が可能です。なお「総合」資格でも、大学生の合格率は平成28年度で19.0%あります。さらに16-18歳(高校生)の合格者は平成28年度に54名いて、合格率は17.5%です。

人にもよるとは思いますが、だいたい国内は3ヶ月、総合は半年程度こつこつ勉強をすることができれば、合格圏内に入ることは可能です。そのため、国内は6月上旬まで、総合は4月上旬までには勉強を開始すると良いです。週末しか勉強出来ない場合は、3ヶ月は余分に余裕を見て開始するようにしましょう。

あまり早く開始しても忘れてしまいますが、まずはやる気になったら旅行地理などの実務の勉強を開始し、試験が近づいてきたら法規の勉強を開始するのがおすすめです。

一人でこつこつ勉強するのが苦手な方は、通信教材を活用すると勉強のペースを維持することができてよいです。家の近くに講座を行っているところがあれば、お金はかかりますが、通学するのもよいでしょう。

科目ごとの勉強法

旅行業法・各種約款

旅行業法、各種約款などの法規問題は、過去問の類似問題しかでません。そのため、過去問を何度も練習すれば、確実に点数を取れるようになるでしょう。

「総合」試験においても、法規科目以外が免除された人の合格率は、平成28年度で68.2%、平成27年度で72.3%と高いです。旅行業法、約款問題を攻略するのは容易だと言えます。

条文には問題に出やすい部分と出にくい部分がありますので、わざわざ条文を通読する必要はありません。

国内・海外旅行実務

問題となるのは、こちらの実務問題でしょう。勉強には時間がかかりますから、余裕を持って勉強するようにしましょう。問題数は法規よりもこちらの方が多いですし、過去問と類似の問題もそれほどでません。

地理を覚えるのが苦手という人と、料金計算が苦手という人に分かれると思います。

旅行地理

地理が得意でない人は、Webを利用して、文字だけではなく写真などと一緒に地理を覚えるとよいです。そうすると地域についての印象が強くなり、より記憶しやすくなるでしょう。

また、覚えるときには、手で紙に書き込んで覚えるようにします。

例えば、次のサイトの白地図を利用すると良いです。世界地図の方は、画質が少し粗いので地域ごとに印刷します。

[白地図(都道府県)無料ダウンロード http://happylilac.net/sy-sirotizu.html]

[世界地図 http://www.sekaichizu.jp/]

その白地図に、歴史上の人物や温泉などそれぞれテーマを決めて、調べた内容を丁寧に書き込んでいき、まず一つの地図を作ります。これを自分の正解用地図とします。

なお、どのようなテーマを選んだらよいかわからない場合は、まず過去問をいくつか解いてみて問題の傾向を知るようにしましょう。過去問に出たキーワードが入る地図を作るようにします。

そして次からは、新しい白地図を使い、何も見ずに書き込んでみましょう。初めはほとんどわからないかもしれませんが、それで問題ありません。わかるところまで書いたら、初めに作った正解用地図をみながらわからない所を埋めます。

これを何度も繰り返すと、だんだん書けるところが増えてきます。いつも書けない苦手な所がでてくると思いますが、そこを通勤・通学時間を使って繰り返し確認するようにして、得意な所に変えていきましょう。

時々過去問を解いてみて、力がついていることを確認しましょう。

また料金計算が得意な場合には、そちらで確実に点数を取るようにすれば、地理の正答率は低くても合格ラインに達することができます。そのため、試験直前になったら地理の勉強はそこそこにして、料金計算の勉強に集中するという方法もありです。

料金計算

算数・数学が得意でない人は、料金計算で苦労するかもしれません。

料金計算は、まずはともかく計算方法を参考書で時間をかけて学習しましょう。そして、問題を解くときは、計算する条件をしっかりと読み込む注意力が必要です。入湯税には消費税はかからないなど、各問題でキーとなる条件が入っています。参考書を使って、計算する上での条件を一通り覚えた上で、過去問などでキー条件を意識しながら計算練習をするようにしましょう。

さらに、計算を終えた後に問題文を再びざっと読んで、見落としている条件がないか確認する癖をつけましょう。

旅行業務取扱管理者試験の国内と総合の同年度受験

国内試験と総合試験を、同年度に受験をすることは可能です。それぞれの旅行業協会に受験申し込みをします。

ただ同年度受験の場合は、もし国内資格に合格したとしても、その年の総合資格の科目免除には使えません。これは、国内資格の合格発表が、総合資格の申込締切よりも後であるためです。

 

では総合資格を目指している場合、同年度受験したほうがよいでしょうか。

良い点

  • 国内試験の方が、総合試験より一ヶ月早くありますので、プレテストとして力試しをするのには良いです。
  • 総合資格は、国内資格の内容を含んでいますので、勉強する内容は同じです。
  • もし総合試験が不合格でも、国内の資格は得ることができるかもしれません。勉強した成果としては、総合資格の「科目合格」よりも、「国内資格取得」の方が気分がよいでしょう。

どちらとも言えないか、悪い点

  • 科目免除という面では、あまり利点がありません。もし今年度総合試験に不合格で、翌年度に再度受験する場合は、総合試験の科目合格が免除の根拠に使えます。総合資格を3年以上かけて合格しようとする場合には、国内資格を持っていれば翌々年以降も免除の根拠として有効ですから、そのときに国内資格を取った意味がでてきます。
  • 国内試験の受験料5,800円がかかる。

そのため、総合の一発合格を狙っている方は、プレテストとして受けてみたい場合にのみ同年度受験をするとよいと思います。

旅行業務取扱管理者資格は役に立つか?

旅行業の就職試験の際

資格がないよりはましですが、資格があったら特別有利というわけではありません。同程度の採用候補者がいた場合に、有資格者の方が採用されるというくらいのものです。あるいは、面接にかからない人ような人でも、「総合」資格を持っていると面接まで漕ぎつけられることがある程度です。

また「国内」「総合」共に、それぞれ毎年数千人も合格しています。特に「国内」資格だと学生のうちに取得している人が多く、あまり差がつきません。

必置資格ではありますが、有資格者が足りなくて困っている営業所は現実にはあまりないと推測されます。特に就職競争率の高いような大きな会社では、有資格者が足りないということはありません。

新卒では、資格の有無よりも、面接のときにハキハキ受け答えできる方がずっと有利です。会社としては、十年やそれ以上の間、継続して働いてくれることを期待して人材を採用します。たとえ「総合」の資格でも合格率は20-30%と高く、社員に1-2年勉強させれば取得させることが出来てしまいます。それよりは、指導してもなかなか変えることのできない人間性が優れている学生を採りたいと考えるのは当然でしょう。

既卒では、資格の有無よりは経験を求められます。募集条件には、「経験のある方(資格があればなお良い)」と書かれることが多いようです。もし、これまで旅行業の経験がなく、経験がなくても応募できる募集に応募する場合には、旅行業への意欲をアピールするのに資格があると有利になります。

ただ、資格勉強をすることで得ることのできる体系的な知識は、旅行業種で仕事をする上であったほうがよいものです。試験問題は、旅行業協会によって幅広く必要な知識が詰め込まれていますので、旅行業についての本を1冊読むよりも、試験勉強をするほうがずっと深い知識を得られるでしょう。就職する前からどういう仕事をするのかも分かり、自分が旅行業種に向いているかどうか考える事もできます。

そのため、資格を持っていることにより就職が有利になるかどうかよりも、資格を取るために勉強することの利点に注目して、資格を取得するとよいでしょう。

今後、旅行関連の仕事に付きたいと考えているのであれば、資格がないよりはある方が良いのは確実ですので、すこし頑張って取得してみると楽しいと思います。

旅行業に就職してから

取扱管理者の資格は、旅行業種に就職した全員が取得するわけではありません。下記の質問サイトの返答を参考にすると、一般的な有資格率は30-40%程度ということです。旅行を直接取り扱うわけではない総務部や経理部では取得率は低い一方で、顧客と直接やり取りする部署では取得率は高いとのこと。

この資格は、就職試験ではあまり役にたたないですが、一方で入社したらその体系的な知識は仕事を早く覚えるのに役立ちます。総合資格を取得しなくてはならなくなることもありますので、学生の方は時間のあるうちに総合資格を目指して勉強するのが良いでしょう。歳をとるとだんだん記憶力が衰え、資格勉強がきつくなってきますしね。

国内資格は、社内でもあまり評価されないようです。しかし、国内資格は総合資格のベースの知識となりますし、総合資格を取る際の免除科目が増えますので、まずは通過地点と考え取得しておくと良いでしょう。

次の質問サイトの答えも参考になります。

他業種への就職試験の際

旅行関連の仕事以外への就職では全く役に立ちません。

私の場合は、面接の本題に入る前の話題くらいにはなることはありましたが、その程度でした。「旅行好きなんですか?」と聞かれて、旅行の話になり、場が和みましたので、それはそれで資格を取っていて良かったと思いました。

普段

自分で旅行を計画・手配するときには、知識は役に立っています。旅館のキャンセルの期限やキャンセル料のこと、JRでの割引についての約款などは、大雑把ですが今でも忘れずに覚えています。

また旅行地理は、教養として使えますし、例えば温泉好きの人と話をするときに盛り上がれます。また、難読地名を知っているとちょっと物知りぶれますし、飲み会でのネタになります。

また、資格を趣味で取る方もいらっしゃいますが、旅行や地理に興味がない方には、旅行地理を覚えるのがなかなか大変かもしれません。