文化式原型の1/2前後身頃テンプレートをPP板で自作する。

文化式原型の1/2前後身頃テンプレートを、100均のPP板を使って自作しましたので紹介します。

文化式原型テンプレート

文化式原型を引くときに便利な次のようなテンプレートが文化学園ショップで販売されています。

「[ 文化式原型 ] 文化式原型 成人女子」というもので、実物大、1/2、1/4、1/5サイズがあります。1/2は2022年1月現在は3,069円、1/4と1/5は770円です。

紙の原型を、透けやすいハトロン紙に写してパターン展開をしてもよいのですが、カーブを書き写すのに時間がかかります。しかし、このテンプレートを使えば、テンプレートの周りを鉛筆でなぞるだけで、直線もカーブもささっと描けます。

 

以前、実物大原型のテンプレートは作ったことがあったのですが、今回は1/2サイズのテンプレートを作ることにしました。

文化学園ショップで購入すると、880円の送料をあわせても4,000円弱ですから、製作に2~3時間を費やすくらいなら、買ってしまったほうが有意義な時間の使い方なのですが、年末年始にかかってしまい発送まで時間がかかるということで、待ちきれず自分で作ることにしました。

販売されているテンプレートは商標付きのようですが、自分が文化式原型を学ぶためにテンプレートを作って使うのは問題ないと思われます。(なお、私は文化服装学院の通信教育・リモートスクーリング・等身大&1/2ボディにはちゃんと課金していますよ!)

なぜ1/2原型がいるのか

なぜ1/2サイズの原型テンプレートがいるのかということですが、自分で好きな形の服を作れるようになりたいと思っていますが、そのためには、まずは自分でたくさんパターンを引いて、トワルを組まねばならないと思ったからです。

実物大サイズで作ると作業スペースも布もたくさんいりますが、1/2サイズで作るなら、必要なテーブルと布の面積は約1/4で済みます。前後見頃原型(下はWLまで)がA4サイズ1枚にギリギリ収まるくらいのサイズになります。注意点として、布の厚みは1/2にならないためドレープやシワの出方が変わるということと、2倍の正確さで裁断・縫製をする気分でやらないといけないということはありますが、実物大よりも手軽に作れるのは大きな利点です。

なお、更に小さい1/4サイズでは、ノートに作図して展開方法を学ぶまでは良いのですが、1 mmのズレが実物大では4 mmのズレに相当するので、デザインが変わらないくらい正確にトワルを組むのは私には無理そうな気がして諦めました。

 

「誌上・パターン塾」や「パターンマジック」という本でも、1/2サイズのボディを使って、説明がなされています。文化学園ショップでは、それと同じ1/2サイズのボディが売られていますので、それは購入しました。

誌上・パターン塾 Vol.1 トップ編 (文化出版局MOOKシリーズ)
パターンマジック vol.3

テンプレートの製作

ダイソーやセリアなどの100均で取り扱いのあるPPシートを使います。

ダイソーでPPシートの目星をつけていたのですが、今日はたまたまセリアが入っている建物に行く用事があったので、セリアで購入しました。50 x 35 x 0.075 cmの半透明PPシートです。

このPPシート1枚で、前身頃(半身)、後ろ身頃(半身)、袖のテンプレートを作っても少しあまります。

 

次に紙の原型を用意します。自分の原型をお持ちの方はコピー機で50%に縮小すると良いでしょう。

私は、9ARの1/2トルソーに合うテンプレートを作りたいので、パターンマジック本に付属する1/2原型を使いました。

自分で作図した1/2原型もありますが、カーブの精度が心配なので既製品を使います。

 

紙原型の上にPPシートを乗せて、細い油性ペンでなぞっていきます。

腰丈20 cmとして、ヒップライン(HL)も追加しておきました。

書き写すことができたら、外周をハサミで切ります。(オルファのアートナイフではなかなか切れませんでした。)

切るときには、マジックの跡が残らないようにわずかに(0.5 mmほど)内側寄りに切るようにすると良いでしょう。テンプレートをシャープペンでなぞったときに、シャープペンのペン先の太さ分だけ大きく描かれてしまうためです。

 

ダーツ止まりにはピンバイスを使って穴を開けます。

ピンバイスも100均で売っています。このAnexのピンバイスはamazonで購入したものですが、100均のものよりも切れ味が良くおすすめです。

アネックス(ANEX) ピンバイス 収納式 小径ドリル付

 

販売されているテンプレートは1 mmの穴があいているようですが、うちにあるピンバイスは2 mmなので、2 mmの穴をあけます。

さすがにカッターマットに穴があくのは嫌なので、下にペットボトルキャップを敷いて、穴あけをしました。

 

すこしバリはできますが、綺麗に穴があきました。

 

前身頃のテンプレートが完成です。

見頃をHLまで延長したため、WL上のダーツ位置も穴をあけなければいけなくなりました。WL周辺でパターン展開することを考えると、WLまでのほうがテンプレートの使い勝手が良いかもしれませんね。

 

後ろ身頃も同様に作りました。

ダーツfのダーツ止まり位置が、ファッション文化体系本を見るとわかりにくいのですが、肩ダーツのダーツ止まりと同じ高さ、BNP(後ろの首点)から8 cm下ということです。

 

文化式原型1/2テンプレートの完成です。

まとめ

100均のPPシートを使って、前後見頃の原型1/2テンプレートを作りました。意外と良い感じにできましたので満足です。あとは、これを使ってハトロン紙に作図をして、縫い代をつけたパターンをシーチングの上にのせて、ロータリーカッターで切って、縫製すればよいということになります。

文化服装学院の通信教育の服装コースに申し込んであるので、ちょこちょこと服づくりを勉強していきたいと思います。

 

以上、文化式原型の1/2前後身頃テンプレートを自作する。でした。

アダム 仕上馬 No.9 中馬